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「NISAで100万円分を売却したら、その枠はいつ、いくら戻るの?」
「同じ年のうちに買い直せる?」
結論を先にお伝えします。新NISAで売却した分は、購入時の金額(簿価)ベースで翌年の1月以降に復活します。当年中には戻らず、値上がり益の分も戻りません。
NISA研究家リュウとして、制度の条文と金融庁FAQを100回以上確認してきた結論として、この仕組みを正しく理解しているかどうかで生涯1,800万円の使い切り効率が大きく変わります。特に「翌年1月の何日から使えるのか」「年末ギリギリの売却はいつ復活するのか」は見落とされがちな落とし穴です。
この記事では以下がわかります。
- 売却後に復活する金額と時期(月次シミュレーション付き)
- 「当年中の買い直し」ができない理由
- 年末売却の受渡日リスクと回避策
- 旧NISAとの違いと、復活枠の有効活用シナリオ
新NISAの非課税枠は「簿価ベース」で管理されている
まず前提として、新NISAの非課税枠がどのように管理されているかを押さえておきましょう。
非課税保有限度額は1,800万円(2026年現在)
新NISAには一生涯にわたって非課税で投資できる上限額が設けられています。これを非課税保有限度額といい、2026年現在の上限は1,800万円です(出典:金融庁「新しいNISA」)。
| 投資枠の種類 | 年間投資上限 | 生涯上限 |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 120万円/年 | 1,800万円(全体枠) |
| 成長投資枠 | 240万円/年 | 1,200万円(内数) |
| 合計 | 360万円/年 | 1,800万円 |
出典:金融庁「新しいNISA」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html

「簿価ベース」とは「買ったときの金額」でカウントするということ
重要なのは、この1,800万円は実際に投資した金額(簿価残高)で管理されている点です。評価額ではなく「いくらで買ったか」がカウントされます。
たとえば100万円で投資信託を購入した場合、その後200万円に値上がりしても、使っている生涯投資枠は100万円分のままです。この仕組みがわかると、売却後の枠復活もスッキリ理解できます。
管理の仕組み(金融機関と国税庁の連携)
実際の枠管理は、口座を持つ証券会社が行います。毎年末時点の簿価残高を各金融機関が国税庁に報告し、国税庁から翌年の買付可能額が通知される仕組みです(出典:金融庁 新しいNISA FAQ)。翌年の枠が「復活」するのは、この年末〜年初の処理が完了した後です。
売却すると非課税枠は翌年に復活する【月次シミュレーション付き】
復活する金額は「簿価」だけ、値上がり益は戻らない
新NISAで商品を売却すると、その商品の簿価(買ったときの金額)に相当する分の非課税枠が、翌年以降に再利用できます。
例:100万円で購入した投資信託を150万円に値上がりしたタイミングで売却した場合
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 購入時の金額(簿価) | 100万円 |
| 売却時の金額(時価) | 150万円 |
| 翌年に復活する非課税枠 | 100万円分(簿価ベース) |
| 復活しない分(値上がり益) | 50万円分 |
売却益(50万円)は枠として戻りません。復活するのはあくまで「買ったときの金額分だけ」です。
月次シミュレーション:2026年8月に100万円売却→2027年の枠復活タイムライン
「翌年復活」といっても、具体的にいつ何が起きるのかを月単位で見ると分かりやすくなります。以下は、2026年8月に簿価100万円の投資信託を時価150万円で売却したケースのシミュレーションです。
| 時期 | 生涯投資枠の簿価残高 | その月の動き | 追加投資できる枠 |
|---|---|---|---|
| 2026年7月末(売却前) | 500万円 | 通常運用 | 1,300万円 |
| 2026年8月(売却実行) | 500万円 → 400万円(受渡後) | 時価150万円を受取(うち50万円は利益) | 1,300万円(※年間枠は既に消化分のみ) |
| 2026年9〜12月 | 400万円 | 当年は復活せず、残り枠は年間枠のみ | 当年分の残り年間枠のみ |
| 2027年1月1日 | 400万円 | 年間投資枠360万円が新規付与 | 1,400万円(1,800 − 400)+年間360万円 |
| 2027年1月の翌営業日以降 | 400万円 | 売却分100万円の復活枠が反映 | 翌年の買付可能額として証券会社で表示 |
ポイントは次の3点です。
- 当年(2026年)中は100万円の枠は戻らない
- 2027年1月1日時点で、生涯枠の残り簿価枠は1,400万円に回復
- 年間投資枠(360万円)は別制度でリセットされるため、翌年は合計して使える
生涯投資枠の復活イメージ(大きい例)
もう少し大きな例も見ておきましょう。
出典:金融庁「新しいNISA」FAQ https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/qa/nisa2024/index.html

売却後に「同じ年に枠が戻る」は誤解!タイミングに要注意
当年中には非課税枠は復活しない
多くの方が勘違いしやすいポイントです。売却しても、同じ年の中では非課税枠は復活しません。
今年1月につみたて投資枠で120万円分を積み立てた人が、8月に全額売却したとします。
→ この年のつみたて投資枠は既に使い切っているため、売却しても「今年中にまた120万円積み立てる」ことはできません。
→ 復活するのは翌年1月以降です。
年間投資枠と生涯投資枠は別々のルールで動いています。
| 枠の種類 | 売却後の復活タイミング |
|---|---|
| 年間投資枠(つみたて120万・成長240万) | 復活しない(翌年の年間枠はリセットされるが、売却分が上乗せされるわけではない) |
| 生涯投資枠(1,800万円) | 翌年以降に復活(簿価ベースで再利用可能) |
年間枠は毎年1月1日にリセットされますが、これは「売却分が戻る」のではなく「新しい年の枠が付与される」という意味です。
「翌年のいつから」使えるようになるか
年末時点の残高確定・国税庁への報告・金融機関への通知というプロセスがあるため、復活した枠で実際に投資できるのは翌年の1月以降です。多くの証券会社では1月の第1〜第2営業日に反映されます。
【重要】年末ギリギリの売却は「受渡日」に注意
新NISAの枠復活は、売却した日(約定日)ではなく、お金が精算される受渡日を基準に判定されます。投資信託の場合、売却してから受渡日まで国内株式型で2営業日、海外資産型で4〜5営業日かかります。
つまり12月末に売却しても、受渡日が翌年1月にズレ込んだ場合、枠が復活するのはさらにその翌年になります。確実に翌年に復活させたい場合は、12月中旬〜下旬の早めのタイミングで売却を完了させる必要があります。
金融機関変更を検討している方は、復活枠と移管タイミングの関係も押さえておきましょう。

旧NISAとの違い:枠の復活は新NISAで初めて実現した制度
旧NISAでは枠は復活しなかった
2023年以前の旧NISA(一般NISA・つみたてNISA)では、一度使った非課税枠は売却しても戻りませんでした。売れば売るだけ非課税枠が減る一方だったのです。
| 比較項目 | 旧NISA | 新NISA(2024年〜) |
|---|---|---|
| 非課税期間 | 一般NISA:5年、つみたてNISA:20年 | 無期限 |
| 売却後の枠復活 | なし | あり(翌年以降・簿価ベース) |
| 生涯投資枠 | なし(年単位で管理) | 1,800万円 |
出典:金融庁「2023年までのNISA」https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/till2023/
新NISAの復活枠が実現する3つの活用シナリオ
旧NISAは「期間内は売らずに保有し続ける」前提でしたが、新NISAは「必要なときに売って、また積み立てる」設計に進化しました。行動経済学でいう現状維持バイアス(売ると損が確定する気がして動けなくなる心理)も、復活枠があるため緩和されやすくなっています。
具体的には以下のような使い方が現実的です。
- 老後の生活費として少しずつ取り崩しながら、残りは運用を続ける
- リバランスで比率を調整してから、翌年に買い直す
- まとまった出費(住宅・教育費など)のために一時的に売却し、余裕ができたら積み立てを再開する
リバランス目的で売却する場合の手順は以下を参照してください。

非課税枠の復活に関するよくある疑問(FAQ)
Q. 売却を繰り返せば何度でも枠は使い回せる?
理論上は可能です。ただし復活するのは常に「簿価ベース」で、値上がり益は戻りません。また年間の投資上限(つみたて120万・成長240万)は変わらないため、枠が復活しても1年間で投資できる額には上限があります。
Q. 損失が出た状態で売却したら、損した分の枠も戻る?
戻ります。損失が出た場合でも「簿価ベース」で枠が復活します。たとえば100万円で買って80万円に値下がりした状態で売却した場合、翌年に復活する枠は100万円分です(損失の20万円は戻らず、非課税枠は簿価100万円が復活)。
なお、NISAでの損失は税制上「なかったこと」になり、課税口座の利益と損益通算もできません。元本割れ時の注意点は以下で詳しく解説しています。

Q. 非課税枠の残量はどこで確認できる?
利用している証券会社のマイページやアプリで確認できます。「NISA口座の保有状況」や「非課税枠の残り」メニューから、現在の簿価残高・残り枠をリアルタイムに近い形で確認できます。
Q. 売却後、翌年の枠が反映されないのはなぜ?
復活枠は原則として翌年の初め(1月の第1〜第2営業日以降)から利用できます。反映が遅れて見える場合、年末ギリギリに売却して受渡日が翌年にズレ込んだ可能性が高いです。気になる場合は証券会社のサポートに問い合わせてください。
Q. いつでも好きなタイミングで売却していい?
新NISAはいつでも売却可能です。ただし「売り時」の判断にはルールが必要です。以下の記事に売却判断のフレームワークをまとめています。

まとめ:新NISAの「枠の復活」で覚えておくべき3つのポイント
新NISAにおける非課税枠の復活について、重要な点を整理します。
① 復活するのは「簿価(買値)ベース」
時価ではなく購入時の金額が翌年の再利用枠として戻ります。値上がり益の分は復活しません。
② 復活するのは「翌年の1月以降」
売却した年の中では非課税枠は復活しません。年末売却は受渡日が翌年にズレ込むと復活がさらに1年遅れるため、12月中旬〜下旬を目安に売却を完了させてください。
③ 旧NISAにはなかった新NISAの大きな進化
旧NISAでは売却しても枠は戻りませんでしたが、新NISAでは柔軟に再利用できます。長期運用・取り崩し・リバランスをより自由に行える仕組みです。
NISA研究家リュウとしての結論は、復活枠を前提に「売っても取り返せる」という余裕を持って運用することが、1,800万円枠を最短で埋め切る近道だと考えます。
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当サイト「NISAはじめてガイド」では、投資に関する情報を正確にお届けするよう努めていますが、投資には元本割れのリスクがあります。掲載内容は投資を推奨するものではありません。詳しくは免責事項をご確認ください。

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