奨学金を返しながらNISAはできる?両立するための考え方と積立額の目安を解説

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「奨学金の返済があるのに、投資なんてしていいの?」「まず返済を終わらせてからNISAを始めるべき?」

そんな疑問を持つ20〜30代の方は多いと思います。奨学金の返済者は日本全国で約450万人以上(日本学生支援機構〈JASSO〉調べ)とも言われており、若い世代の資産形成における大きなテーマのひとつです。

結論からお伝えすると、奨学金を返済しながらNISAで積立投資をすることは十分に可能です。ただし、「返済と投資のバランスをどう取るか」という考え方が重要になります。

この記事では、奨学金の利率とNISAの期待リターンの比較、返済額別の積立シミュレーション、そして両立するための具体的な考え方をわかりやすく解説します。


目次

奨学金を返しながらNISAを始めることはできる?

結論:できます。ただし「余裕資金」が前提

NISAは、誰でも(18歳以上であれば)開設・利用できる非課税の投資制度です。奨学金の返済をしていても、NISAを利用することに法的な制限はありません。

ただし、大切な前提があります。それは「無理のない余裕資金の範囲で行う」ことです。

借金(奨学金も借金のひとつです)を抱えながら投資をすることに抵抗を感じる方もいるでしょう。その感覚は間違っていません。重要なのは、「奨学金の利率」と「投資で期待できるリターン」のどちらが大きいかを理解したうえで、自分に合った方法を選ぶことです。

奨学金返済者の実態

JASSOのデータによると、大学卒業後の奨学金の平均返済期間は約15〜20年で、月々の返済額は平均約1万5,000円〜2万円程度と言われています。

毎月この金額を返済しながら生活費・貯蓄・投資を両立させることは、決して簡単ではありません。しかし、少額からでも早く始めることが、長期の資産形成において大きな差を生むというのが投資の基本的な考え方です。

20代向けに書いたNISAを始めるべき理由という記事「20代がNISAを今すぐ始めるべき理由【複利の力をわかりやすく解説】」もぜひ参考にしてみてください。

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奨学金の利率とNISAの期待リターンを比較してみよう

第一種・第二種の違いと利率

奨学金には、無利子の「第一種奨学金」と、有利子の「第二種奨学金」があります。

種別利子利率の目安(2026年時点)
第一種奨学金無利子0%
第二種奨学金(変動金利)有利子上限年3.0%(市場金利連動)
第二種奨学金(固定金利)有利子約1.0〜1.6%前後※

※利率は貸与終了時に確定します。金利上昇局面にあり近年は変動していますが、直近の固定方式はおおむね年1.6%台で推移しています(JASSO公式情報をもとに作成)。今後も市場金利に応じて変動する可能性があります。

第一種(無利子)の方はとくに、NISAとの両立を積極的に検討する価値があります。利息がかからない分、返済と並行して投資を続けることが合理的と考えられます。

第二種(有利子)の方は、現在の自分の利率を確認することが最初のステップです。奨学金の返還明細書やJASSOの「スカラネット・パーソナル」でご確認ください。

NISAで長期投資した場合の期待リターン

NISAで代表的な「全世界株式インデックスファンド(通称:オルカン)」や「S&P500インデックスファンド」に長期投資した場合、歴史的なデータをもとに年率5〜7%程度のリターンが期待できると言われています。

ただし、これはあくまで過去の実績をもとにした目安であり、将来のリターンを保証するものではありません。短期では大きく下落する可能性もあることを念頭に置いてください。

数字で見る「利率 vs 期待リターン」の差

比較対象年率の目安
第一種奨学金の利率0%(無利子)
第二種奨学金の利率約0〜3%(上限)
NISAの期待リターン(長期)年率5〜7%程度※

※あくまで過去の実績に基づく目安であり、元本割れのリスクがあります。

もし第二種奨学金の利率が年1%台であれば、長期的に見てNISAの期待リターン(5〜7%)が上回る可能性があると言われています。ただし、投資にはリスクが伴うため、一概に「投資の方が得」とは言い切れません。自分のリスク許容度と照らし合わせて判断することが大切です。

NISAと貯金の関係について書いた記事「NISAと貯金はどっちを優先すべき?初心者向けに考え方を解説」もぜひ参考にしてみてください。

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返済額別の積立シミュレーション

月々の返済額から考える「余力」の目安

奨学金の返済と投資を両立させるには、まず月々の「余力」を把握することが必要です。下記の簡単な計算式で確認してみましょう。

手取り月収 − 生活費 − 奨学金返済額 − 貯金(生活防衛資金) = 投資に回せる余力

たとえば、手取り22万円・生活費15万円・奨学金返済1.5万円・貯金1万円の場合:

22万円 − 15万円 − 1.5万円 − 1万円 = 4.5万円(余力)

この余力の一部をNISAに回すイメージです。まずは月3,000円〜1万円という少額からスタートすることをおすすめします。

月3,000円・5,000円・1万円を20年積立てたら?

以下は、NISAで積立投資した場合の長期シミュレーション例です。年率5%で運用できた場合の試算値(税引き後。NISA口座のため非課税)を示します。

〈10年間積み立てた場合〉

月の積立額投資元本(合計)運用後の試算額※
月3,000円36万円約46万円
月5,000円60万円約78万円
月10,000円120万円約155万円

〈20年間積み立てた場合〉

月の積立額投資元本(合計)運用後の試算額※
月3,000円72万円約123万円
月5,000円120万円約205万円
月10,000円240万円約411万円

※年率5%での複利運用を仮定した試算値です。実際の運用成果は市場環境により異なります。元本割れのリスクがあります。NISAの非課税メリットを活用した場合の数値です。

この表からわかる通り、月3,000円という少額でも20年続けると元本の約1.7倍になる可能性があります。早く始めるほど「複利」の効果が大きくなるため、「奨学金を完済してから始めよう」と先延ばしにするのはもったいないと言えます。

他にも色々な金額でシミュレーションしていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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奨学金返済と投資を両立するための考え方3つ

① まず生活防衛資金(3〜6ヶ月分)を確保する

投資を始める前に、まず生活費の3〜6ヶ月分を現金で確保することが鉄則です。これを「生活防衛資金」と呼びます。

急な病気・失業・予期しない出費に備えるための緊急予備費で、これがないまま投資を始めると、相場が下がったタイミングで急いで売却せざるを得ない状況になりかねません。

奨学金の返済中は月々の支出が多いため、まず生活防衛資金を優先して貯め、それが確保できてから投資に回すのが安心です。

② 有利子の場合は「利率 > 期待リターン」なら返済優先

第二種奨学金の有利子型を借りている方で、現在の利率が高め(たとえば年2%以上)の場合は、返済を優先する選択肢も合理的です。

ただし、今後の金利動向はわからないため「どちらが絶対に得か」と断言することはできません。一般的な考え方としては、

  • 奨学金の利率が低い(1%未満〜1%台): 投資と並行してもよいと言われています
  • 奨学金の利率が高い(2%超): 繰り上げ返済を優先するか、両立しつつも返済比率を高めるのが一般的です

自分の利率を把握し、無理のない範囲でバランスを取ることが大切です。

③ 繰り上げ返済とNISA積立を組み合わせる戦略

「全額返済に回すか、全額投資に回すか」という二択ではなく、繰り上げ返済とNISA積立を同時進行させる方法もあります。

たとえば:

  • 毎月の余力が3万円の場合 → 繰り上げ返済:1万円 + NISA積立:2万円
  • 余力が少ない月 → NISAのみ月5,000円継続

このように、状況に応じてフレキシブルに調整できるのが新NISAの強みです。新NISAは年間の投資上限(つみたて投資枠:120万円、成長投資枠:240万円)はありますが、途中で金額を変えることも、一時的に止めることも自由にできます(金融機関により異なる場合あり)。


まとめ:少額でも早くスタートすることが大切

奨学金の返済中にNISAを始めることは、適切に判断すれば十分に現実的な選択肢です。この記事のポイントをまとめます。

  • 第一種(無利子)の方は、返済しながら積極的に積立投資を検討できます
  • 第二種(有利子)の方は、現在の利率を確認し、利率と期待リターンを比較して判断しましょう
  • まず生活防衛資金を確保してから、余力の範囲で投資を始めることが基本
  • 月3,000円の少額でも、20年間続けると元本の約1.7倍になる可能性があります(年率5%試算)
  • 繰り上げ返済とNISA積立の組み合わせ戦略が、両立の現実的な方法の一つです

NISAを始める際の流れ

  1. 生活防衛資金(3〜6ヶ月分)の確保を確認する
  2. 奨学金の利率を確認する(JASSOのスカラネット・パーソナルで確認可能)
  3. 月々の余力を計算する
  4. ネット証券でNISA口座を開設する
  5. 月3,000円〜1万円の少額から積立を開始する

NISA口座を開設する際のおすすめ証券会社について書いた記事「NISA口座はどこで開くべき?初心者におすすめの証券会社3選」もぜひ参考にしてみてください。

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よくある疑問Q&A

Q. 奨学金の返済が終わってからNISAを始めてもよいですか?
A. もちろん可能ですが、返済が終わってから始めると、複利の恩恵を受けられる期間が短くなります。少額でも早く始める方が、長期的には有利になる可能性が高いと言われています。

Q. 奨学金の繰り上げ返済と積立NISA、どちらを優先すべきですか?
A. 奨学金の利率と投資の期待リターンのバランスによって異なります。利率が低ければ積立投資を優先、高ければ繰り上げ返済を優先するか両方を並行するのが一般的な考え方です。

Q. NISAで損をした場合、奨学金の返済に影響しますか?
A. NISAの損益は奨学金の返済とは無関係です。ただし、生活費や返済に充てるお金をNISAに回してしまうと、返済が滞る危険があります。必ず「余裕資金の範囲で」投資することが大原則です。


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