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結論から言います。NISAで米国株インデックスを選ぶなら「分散重視=S&P500」「大型ハイテク集中=NASDAQ100」「超集中×高ボラ=FANG+」の3択で、迷ったら土台はS&P500、攻めたい分だけNASDAQ100かFANG+を上乗せするのが王道です。
3つのインデックスとも新NISAの成長投資枠で買え、つみたて投資枠でも対象になっているファンドが揃っています。信託報酬・構成銘柄数・直近5年リターンに大きな差があり、同じ「米国株インデックス」でも値動きとリスクはまったく別物です。
NISA研究家リュウとしての見解は、「3つのインデックスはライバルではなく役割分担の関係」ということです。S&P500を中核に置き、NASDAQ100やFANG+はサテライトで使う前提で組むと、暴落時にも積立を止めずに済みます。
この記事では以下がわかります。
- FANG+・NASDAQ100・S&P500の信託報酬・構成銘柄・直近5年リターンの実数比較
- 3つのインデックスの構成銘柄の重なりと差(どこまで同じ会社を買っているか)
- リスク許容度別の選び方(保守・中立・積極の3パターン)
- 3つのインデックスを組み合わせるコア・サテライト戦略の具体例
- つみたて投資枠/成長投資枠での扱いと、主要証券会社の取扱状況
早見表:3つのインデックスの主要数値を一目で比較
3つのインデックスの代表的なインデックスファンドを並べた比較表です。信託報酬・銘柄数・直近1年リターン・リスク(標準偏差)の4指標で違いがはっきり見えます。
| 項目 | FANG+ (iFreeNEXT FANG+) | NASDAQ100 (iFreeNEXT NASDAQ100) | S&P500 (eMAXIS Slim 米国株式) |
|---|---|---|---|
| 構成銘柄数 | 10銘柄(等ウェイト) | 100銘柄(時価総額加重) | 約500銘柄(時価総額加重) |
| 信託報酬(税込・年率) | 0.7755% | 0.495% | 0.0814%以内 |
| 純資産総額(2026年4月末) | 1兆1,644億円 | 2,907億円 | 11兆2,408億円 |
| 直近1年リターン(累計) | +46.61% | +56.57% | +22.80% |
| 直近5年リターン(累計) | +235.99% | +188.75% | +145.56% |
| 1年標準偏差 | 25.30% | 19.74% | 16.75% |
| 1年シャープレシオ | 0.84 | 1.24 | 1.21 |
| つみたて投資枠 | 対象 | 対象 | 対象 |
| 成長投資枠 | 対象 | 対象 | 対象 |
| おすすめタイプ | 値動き上等な攻めの人 | 大型テック中心の中庸派 | 王道の長期分散派 |
データ出典:大和アセットマネジメント公式(iFreeNEXT FANG+/NASDAQ100、2026年4月30日基準・累計騰落率)/投資信託総合検索ライブラリー・日本経済新聞(eMAXIS Slim 米国株式、2026年3月末基準・累計騰落率)/リスク指標(標準偏差・シャープレシオ)は日本経済新聞 投資信託情報(2026年3月末基準)。リターンは収益分配金再投資ベースで、課税条件によって投資者ごとの実績は変動します。
3つのインデックスの基本:FANG+・NASDAQ100・S&P500とは何か
3つのインデックスはすべて米国株インデックスですが、銘柄数が10/100/約500と桁違いに異なります。FANG+は10銘柄に等ウェイト集中、NASDAQ100はナスダック上場100社の時価総額加重、S&P500は米国大型500社の時価総額加重です。
3つのインデックスはどれも「米国株を買う」点では同じですが、設計思想がまったく違います。1つずつ整理します。
FANG+とは:10銘柄に等ウェイトで集中投資する超選別型
FANG+はNYSE FANG+指数に連動する超少数銘柄インデックスです。2026年3月のリバランス後の構成銘柄は、Meta・Apple・Amazon・Netflix・Microsoft・Alphabet(Google)・NVIDIA・Broadcom・Palantir・Micron Technologyの10銘柄です(出典:ICE Data Indices公式)。
特徴は10銘柄を等ウェイト(各10%)で持つことで、四半期ごとのリバランスで配分が均等に戻されます。時価総額加重の指数と違い、巨大化した1社に偏らず、新興のテック銘柄にも厚めの比率がかかる仕組みです。
代表的なファンドはiFreeNEXT FANG+インデックス(大和アセットマネジメント運用)。信託報酬は年率0.7755%(税込)で、3つのインデックスのなかでは最も高水準です。
NASDAQ100とは:ナスダック上場の非金融大手100社
NASDAQ100はナスダック証券取引所に上場する金融セクターを除く時価総額上位100社で構成される指数です。Apple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabetといった巨大ハイテク企業に加え、PepsiCoやCostcoなどの大型消費関連企業も含みます。
技術セクターの比重が約60%と高く、AIブームの恩恵を強く受ける一方、ハイテク株が崩れた局面ではS&P500より大きく下げる傾向があります。代表的なファンドはiFreeNEXT NASDAQ100インデックス(大和アセットマネジメント運用)で、信託報酬は年率0.495%(税込)です。
S&P500とは:米国大型500社の時価総額加重
S&P500はS&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が算出する米国大型500社の時価総額加重インデックスで、米国株式市場の約80%の時価総額をカバーします。情報技術・金融・ヘルスケア・一般消費財・通信など、幅広いセクターが含まれます。
代表的なファンドはeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)(三菱UFJアセットマネジメント運用)で、信託報酬は年率0.0814%以内(税込)。SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBIアセットマネジメント運用)も信託報酬0.0938%と低水準です。3つのインデックスのなかで圧倒的にコストが低く、純資産総額も最大規模です。
信託報酬を比較:3つのインデックスのコスト差は最大10倍近い
信託報酬はS&P500(0.0814%)が最安、NASDAQ100(0.495%)が中間、FANG+(0.7755%)が最高です。同じ100万円を20年保有した場合のコスト差は約13万円になります。
長期投資ではコストの差が複利で効いてきます。3つのインデックスの代表ファンドの信託報酬を整理します。
信託報酬の実数比較表
| ファンド名 | 信託報酬(年率・税込) | 100万円×20年保有時の累計コスト目安 |
|---|---|---|
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.0814%以内 | 約1.6万円 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | 約1.9万円 |
| iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 0.495% | 約9.9万円 |
| iFreeNEXT FANG+インデックス | 0.7755% | 約15.5万円 |
※累計コストは「元本100万円×信託報酬率×20年」の単純試算で、運用益への複利効果は考慮していません。実際の差はもう少し大きくなります。
S&P500とFANG+の信託報酬差は約9.5倍。同じ100万円を20年保有するだけで、コストの差は約13万円分です。
ただし投資信託には信託報酬以外にも、売買委託手数料・有価証券取引税・保管費用などの隠れコストがかかります。これらを合算した「実質コスト(総経費率)」は信託報酬より高くなるのが通常で、特に海外資産を多く含むファンドは隠れコストの上振れがあります。長期保有を前提にする場合、各ファンドの最新の運用報告書(決算ごとに公開)で総経費率を確認することが、本当のコスト比較には欠かせません。
コストの差を許容できるリターンが出ているか
ただし「コストが安い=勝ち」ではありません。FANG+の直近1年リターンは+46.61%で、S&P500の+22.80%を倍以上引き離しています(2026年3月末時点)。
ポイントは「過去のリターンが将来も続く保証はない」という当たり前の事実です。FANG+は10銘柄の集中投資ですから、構成銘柄のうち1社が急落するだけでファンド全体が大きく揺れます。コストが高くてもリターンで取り返せた局面と、コスト負けした局面の両方が過去にあります。
S&P500の0.0814%は「ほぼゼロコスト」と言える水準で、長期で確実に勝ち続けるための最大の武器です。
構成銘柄の重複と差:3つのインデックスが買っている会社はどれだけ重なる
3つのインデックスともApple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabet(Google)・Metaを含むので、重複は大きいです。違いは「どこまで広く持つか」と「どれだけ集中させるか」です。
3つのインデックスの構成銘柄は完全に独立ではなく、上位の大型ハイテク企業を共有しています。重複を整理します。
3つのインデックスの上位10銘柄を並べて比較
| 順位 | FANG+(10銘柄・各10%) | NASDAQ100(上位10銘柄・約49%) | S&P500(上位10銘柄・約36%) |
|---|---|---|---|
| 1 | Meta | NVIDIA(11%超) | NVIDIA(8.47%) |
| 2 | Apple | Apple | Apple(6.50%) |
| 3 | Amazon | Microsoft | Microsoft(5.21%) |
| 4 | Netflix | Amazon | Amazon(4.15%) |
| 5 | Microsoft | Alphabet | Alphabet(3.33%) |
| 6 | Alphabet(Google) | Meta | Meta |
| 7 | NVIDIA | Broadcom | Broadcom |
| 8 | Broadcom | Tesla | Berkshire Hathaway |
| 9 | Palantir | Costco | Eli Lilly |
| 10 | Micron Technology | Netflix | JPMorgan Chase |
データ出典:ICE Data Indices(NYSE FANG+)/NASDAQ公式(NASDAQ100)/S&P Dow Jones Indices(S&P500)。比率は2026年3月末〜4月末時点の参考値。
重複と差を整理する3つのポイント
FANG+の特徴
- 10銘柄を等ウェイト10%で持つため、Apple1社の下落がファンド全体に1割の影響
- Palantir・Micron Technologyのような新興・半導体銘柄が10%入る
- セクター集中(テクノロジー・通信サービス)でリスクは高い
NASDAQ100の特徴
- 時価総額加重でNVIDIAが11%超、上位5銘柄で約30%を占める
- 技術セクターが約60%、一般消費財が約20%という偏り
- 金融セクターは含まない(ナスダック上場の非金融100社のため)
S&P500の特徴
- 約500社で広く分散、上位10銘柄でも約36%にとどまる
- 11セクター全部を網羅(金融・ヘルスケア・エネルギー・公益も含む)
- 上位の大型ハイテクは共通だが、中型・小型まで取り込む幅広さが他2軸との決定的な違い
つまりS&P500を持っているなら、上位の大型ハイテクはすでに含まれています。NASDAQ100を上乗せすると大型ハイテク比率がさらに上がり、FANG+を上乗せするとPalantir・Micronのような選別銘柄も増える、という構造です。
直近5年のリターンと暴落耐性:データで見る値動きの違い
直近5年累計リターンはFANG+>NASDAQ100>S&P500の順。一方標準偏差(値動きの大きさ)もFANG+>NASDAQ100>S&P500の順で、リターンが高い軸ほど暴落時の落ち幅も大きいのが鉄則です。
3つのインデックスのリターンとリスクの実数を整理します。
直近5年累計リターンの比較
| ファンド | 直近1年 | 直近3年 | 直近5年 | 設定来(参考) |
|---|---|---|---|---|
| iFreeNEXT FANG+インデックス | +46.61% | +214.21% | +235.99% | +776.80%(2018年1月設定) |
| iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | +56.57% | +147.98% | +188.75% | +419.69%(2018年8月設定) |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | +22.80% | +94.00% | +145.56% | +319.80%(2018年7月設定・基準価額10,000→41,982円) |
データ出典:FANG+/NASDAQ100は大和アセットマネジメント公式(2026年4月30日基準・累計騰落率)/S&P500は投資信託総合検索ライブラリーおよび日本経済新聞 投資信託情報(2026年3月末基準・累計騰落率)。リターンは収益分配金再投資ベース。基準日が異なるため厳密な同条件比較ではない点に注意してください。
標準偏差・シャープレシオで見るリスク調整後の比較
リターンが高くても、その分値動きが激しければ精神的にきついです。「同じリスクで何%稼げたか」を示すのがシャープレシオです。
| ファンド | 1年標準偏差 | 1年シャープレシオ |
|---|---|---|
| iFreeNEXT FANG+インデックス | 25.30% | 0.84 |
| iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 19.74% | 1.24 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 16.75% | 1.21 |
データ出典:日本経済新聞 投資信託情報(運用実績ページ・2026年3月末基準)。1年シャープレシオは「直近1年の超過リターン÷標準偏差」で、数値が高いほど同じリスクで効率的にリターンを稼げたことを示します。
暴落時の落ち方の傾向
過去の代表的な下落局面(コロナショック2020年3月/インフレショック2022年)では、3つのインデックスはおおむね以下の順で大きく落ちる傾向がありました。
- FANG+:構成10銘柄中ハイテクが大半。テック株急落時の下落幅は最大級
- NASDAQ100:技術セクター60%+消費財20%。S&P500よりも下落幅が深い
- S&P500:金融・ヘルスケア・公益などディフェンシブ銘柄を含むため、下落幅は最も浅い
長期で持ち続けられるかどうかは、暴落時の値動きに耐えられるかにかかっています。「リターンが高い=落ち幅も大きい」という前提を理解した上で軸を選ぶ必要があります。
リスク許容度別のおすすめ:保守・中立・積極の3パターン
初心者・暴落で動揺しやすい人はS&P500の単独保有、テック成長を多めに取りたい中堅はS&P500+NASDAQ100、攻めて取りに行きたい人はS&P500+FANG+または3つのインデックスの組み合わせが基本形です。
3つのインデックスは「どれが正解」ではなく、自分のリスク許容度に合うかで選びます。3パターン整理します。
保守タイプ:S&P500単独(暴落耐性最優先)
- 配分例:S&P500を100%
- 想定読者:投資未経験〜3年目/暴落時に積立を止めてしまうリスクが高い人/50代以降で老後資金準備中の人
- メリット:信託報酬0.0814%の低コスト・約500社分散で値動きが穏やか・長期で年率7〜8%の実績
- デメリット:直近1〜3年のリターンはNASDAQ100やFANG+に劣る
中立タイプ:S&P500+NASDAQ100(テック上振れも欲しい)
- 配分例:S&P500を70〜80%、NASDAQ100を20〜30%
- 想定読者:投資歴3〜5年で暴落を1回乗り越えた人/30〜40代で運用期間が20年以上ある人
- メリット:S&P500で土台を固めつつ、NASDAQ100でテック銘柄の比率を上乗せできる
- デメリット:構成銘柄が大型ハイテクに偏りやすい(Apple・Microsoft・NVIDIAが二重カウントになる)
積極タイプ:S&P500+FANG+(10銘柄の集中も乗せる)
- 配分例:S&P500を60〜70%、FANG+を20〜30%、(残りNASDAQ100や日本株などサテライト)
- 想定読者:投資歴5年以上で暴落も経験済みの人/月額積立額に余裕がある30代の人/信用取引や個別株経験者
- メリット:FANG+の10銘柄等ウェイトで爆発的なリターンも狙える
- デメリット:FANG+は1銘柄の急落でファンド全体が10%動く・信託報酬0.7755%とコスト高
NISA研究家リュウとしての見解は、「どのタイプでもS&P500を50%以上は持つ」ということです。S&P500は信託報酬・分散・実績の3拍子が揃った王道で、NASDAQ100・FANG+はあくまで上乗せ。土台を厚く取ることで、暴落時にも積立を止めずに済みます。
配分の決め方が分からないときはFP相談で棚卸し
リスク許容度は年齢・収入・家族構成・運用期間で変わります。自分1人で決めかねる場合、無料のFP相談で家計と投資方針をまとめて棚卸しするのが早道です。FP相談を使うタイミングや活用法は、以下の関連記事で詳しく解説しています。

3つのインデックス組み合わせポートフォリオ:コア・サテライト戦略の具体例
コア・サテライト戦略は「土台(コア)80%+攻め(サテライト)20%」の配分が基本。NISAではS&P500やオール・カントリーをコアに置き、NASDAQ100やFANG+をサテライトに配分するのが王道です。
3つのインデックスを単独ではなく組み合わせて使う場合の具体例です。
コア・サテライト戦略の基本形
「コア(中核)」と「サテライト(衛星)」の2層に分けてポートフォリオを組む手法です。
- コア(70〜80%):低コストで広く分散したインデックス(S&P500・オール・カントリーなど)。値動きが穏やかで長期で積み上げる役割
- サテライト(20〜30%):高リターンを狙うテーマ型・集中型(NASDAQ100・FANG+・個別株など)。値動きは荒いがリターンの上振れ余地が大きい
配分パターン3例
パターン①:S&P500メイン+NASDAQ100サテライト(中堅向け)
- S&P500:80%
- NASDAQ100:20%
- 月10万円積立の場合:S&P500 8万円+NASDAQ100 2万円
- 想定リターン:年率7〜9%(過去実績ベース)
- リスク:S&P500単独より値動きはやや大きいが、暴落耐性は確保
パターン②:S&P500メイン+FANG+サテライト(積極派向け)
- S&P500:70%
- FANG+:30%
- 月10万円積立の場合:S&P500 7万円+FANG+ 3万円
- 想定リターン:直近5年実績ではNASDAQ100組み合わせより高水準
- リスク:FANG+の10銘柄集中で暴落時の落ち幅が大きい
パターン③:3つを組み合わせるミックス(分散と攻めの両立)
- S&P500:60%
- NASDAQ100:20%
- FANG+:20%
- 月10万円積立の場合:S&P500 6万円+NASDAQ100 2万円+FANG+ 2万円
- 想定リターン:単独より平均化されるが、上振れも下振れも穏やかになる
- リスク:構成銘柄の重複(Apple・Microsoftなど)で大型ハイテクへの実質エクスポージャーは高い
組み合わせ時に注意したい銘柄重複
3つのインデックスはすべてApple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabet・Metaを含みます。「分散しているつもりが大型ハイテク株に三重で投資している」状態になりやすいです。
- S&P500 70%+NASDAQ100 30%の場合、Apple・Microsoft・NVIDIAの実質保有比率は単独より約1.5倍に上昇
- S&P500 70%+FANG+ 30%の場合、Apple・Microsoft・NVIDIAの実質保有比率は単独より約2倍以上に上昇
「ハイテクに集中したい」のが狙いなら問題ありませんが、「広く分散したい」が目的ならNASDAQ100・FANG+の比率を上げすぎないのがコツです。
僕がFANG+とNASDAQ100を選ばなかった理由
僕のNISA口座のメインはeMAXIS Slim 全世界株式(オルカン)で、サブでeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)です。月15万円のNISA積立を9年間続けてきて、3つのインデックスを比較するときに自分が出した結論は「FANG+とNASDAQ100には手を出さない」でした。その判断軸を書き残しておきます。
判断のいちばんの基準は、「9年間積み立てを止めずに続けられるか」です。直近5年のリターンだけ見るとFANG+は群を抜いていて、運用報告書を読むたびに「比率を上げたい」という気持ちは正直あります。ただし、僕は積立投資を「相場を読む力で勝つ」のではなく「相場を読まずに済む仕組みで負けない」運用として9年回してきました。10銘柄に等ウェイトで集中するFANG+は、その仕組みからは外れます。
特に振り返って効いているのが、2022年のテック株急落局面です。NASDAQ100は2022年1月から10月にかけて約▲33%のドローダウンを記録しました(出典:Nasdaq公式)。当時すでに数百万円規模の含み益が出ていた状態でしたが、もしポートフォリオの大半をNASDAQ100やFANG+で固めていたら、心理的に積立額を一時的に減らしていた可能性が高いと冷静に振り返ります。S&P500の同期間ドローダウンは約▲25%で、ハイテク集中度の差がそのまま落ち幅の差として出ています。
9年間の月次積立データを自分で記録し続けて気づいたのは、「過去の最高リターン軸を選ぶ」より「下落時に止めない配分を選ぶ」ほうが、結果的に複利が効きやすいという事実でした。S&P500を中核にしてオルカンを足す構成に落ち着いたのは、その9年分の自分の感情の動きを観察した結果です。
それでも、テック成長を主軸に取りたい人や、暴落時にも淡々と買い増せる人にとってFANG+やNASDAQ100は強力な選択肢になります。大事なのは「自分の性格と運用期間に合う軸を選ぶ」こと。月3,000円スタートから月15万円まで段階的に増やしてきた立場としては、続けられない攻めの配分よりも、続けられる守りの配分のほうを強くおすすめしたい立場です。
税制・NISA枠での扱い:成長投資枠とつみたて投資枠
3つのインデックスとも新NISAのつみたて投資枠・成長投資枠の両方で買えることが多く、運用益はどちらの枠でも非課税です。NISA口座での売買手数料は無料です(出典:金融庁)。
3つのインデックスを新NISAで買うときの基本ルールを整理します。
新NISA枠の基本
- つみたて投資枠:年間120万円まで・金融庁が認めた長期分散向きファンドが対象
- 成長投資枠:年間240万円まで・幅広い投資信託・個別株が対象
- 生涯投資枠:1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)
- 非課税期間:恒久化(旧NISAの20年制限は撤廃)
3つのインデックスファンドの枠別対応状況
| ファンド | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
|---|---|---|
| iFreeNEXT FANG+インデックス | 対象 | 対象 |
| iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 対象 | 対象 |
| eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 対象 | 対象 |
| SBI・V・S&P500インデックス・ファンド | 対象 | 対象 |
3つのインデックスとも両枠で購入可能です。月10万円まではつみたて投資枠で積立、それを超える分は成長投資枠で追加、という併用が一般的なパターンです。
NISA口座での売買手数料
主要ネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・三菱UFJ eスマート証券)はいずれもNISA口座での投資信託の売買手数料を無料にしています。本記事で紹介している3つのインデックス(iFreeNEXT FANG+・iFreeNEXT NASDAQ100・eMAXIS Slim 米国株式)はすべて国内の投資信託で、通常口座であっても買付手数料はノーロード(無料)です。
主要証券会社の取扱状況
3つのインデックスはいずれも主要ネット証券で取扱いがあります。
- SBI証券:3つのインデックスとも取扱あり。SBI・V・S&P500のような自社系列ファンドが充実
- 楽天証券:3つのインデックスとも取扱あり。楽天ポイント投資との相性も良い
- マネックス証券:3つのインデックスとも取扱あり。dカード積立でdポイント還元率1.1%(NISA口座・10万円積立まで一律)の高水準クレカ積立に対応。なお2026年10月買付分よりマネックスカード積立にカードショッピング月5万円以上の利用条件が追加され、月1万円未満で還元率0%となる予定(dカード積立は条件変更なし・引き続き1.1%維持)
- 松井証券:3つのインデックスとも取扱あり。投信工房(無料ロボアド)でポートフォリオ自動提案も可能
NISA口座をどこで開設するかで、3つのインデックスを含む主要ファンドの選択肢はほぼ変わりません。クレカ積立のポイント還元率や投信保有ポイントの差で選ぶのが現実的です。
S&P500・NASDAQ100・FANG+の取扱本数や対応カードについては、以下の記事も参考にしてください。



FAQ:よくある質問
Q1. FANG+・NASDAQ100・S&P500の中でリスクが一番低いのはどれですか?
S&P500です。約500社に分散投資しているため、構成銘柄数の少ないNASDAQ100(100社)・FANG+(10社)よりも値動きが穏やかです。直近の1年標準偏差はS&P500の16.75%に対してNASDAQ100は19.74%、FANG+は25.30%と最大水準です(出典:日本経済新聞 投資信託情報、2026年3月末基準)。
Q2. 3つのインデックスを全部買うのはアリですか?
アリですが、構成銘柄の重複に注意が必要です。3つのインデックスともApple・Microsoft・NVIDIA・Amazon・Alphabetを含むため、組み合わせて持つと大型ハイテク株への実質エクスポージャーが2〜3倍になります。「広く分散したい」が目的ならS&P500中心、「ハイテクに賭けたい」が目的なら3つを組み合わせるミックスが選択肢になります。
Q3. 信託報酬の差はリターンを上回る不利になりますか?
長期で見ればコスト差が複利で効きます。信託報酬0.0814%のS&P500と0.7755%のFANG+では、同じ100万円を20年保有するだけでコスト差は約13万円。ただし直近5年のリターンはFANG+のほうが上回っており、「コストが高くてもリターンで取り返せる局面」と「コスト負けする局面」の両方が過去にありました。未来は分からない前提で、自分のリスク許容度から軸を選ぶのが正解です。
Q4. NASDAQ100とFANG+のどちらが良いですか?
「テクノロジーに集中したいが、10銘柄では集中しすぎ」と感じるならNASDAQ100、「最先端の10銘柄に賭けたい」と思うならFANG+です。NASDAQ100は100社の時価総額加重で大型ハイテクのウェイトが高く、FANG+は10銘柄を等ウェイトで持つ超選別型。リスクの取り方が違います。
Q5. 暴落で大きく下げたとき、積立を止めるべきですか?
止めない方が良い、というのが過去のデータからの結論です。コロナショック(2020年3月)後の3つのインデックスは、その後すべて高値を更新しました。暴落時にこそドルコスト平均法の真価が出るのが積立投資の鉄則です。ただし、止めずに続けられるかは個人の性格と資金余力次第。FANG+のような高ボラ商品で挫折しそうなら、最初からS&P500中心で組むのが安全策です。
Q6. つみたて投資枠だけで3つのインデックスを買えますか?
買えます。3つのインデックス(FANG+・NASDAQ100・S&P500)は2026年5月時点でいずれもつみたて投資枠の対象ファンドが揃っています。月10万円までならつみたて投資枠だけで完結し、それ以上を入れたい場合は成長投資枠を併用します。
Q7. オールカントリーと3つのインデックスの関係は?
オールカントリー(オルカン)は全世界株式インデックスで、米国比率が約60%を占めます。つまりオルカンを持つだけで実質的に米国大型株の半分以上を持っている状態です。「米国だけでいい」ならS&P500、「世界全体を分散したい」ならオルカンが基本選択。NASDAQ100・FANG+はどちらと組み合わせてもサテライトとして機能します。
オルカンとS&P500の比較・選び分けは以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ:FANG+・NASDAQ100・S&P500の使い分け
3つのインデックスは同じ「米国株インデックス」でも、設計思想がまったく違います。
- S&P500:約500社の幅広い分散・信託報酬0.0814%・暴落耐性が最強。初心者から経験者まで全員の土台
- NASDAQ100:100社の時価総額加重・信託報酬0.495%・大型ハイテク60%。S&P500の上乗せでテック成長を取りに行く
- FANG+:10銘柄の等ウェイト・信託報酬0.7755%・直近1年+46.61%。サテライトで攻めの配分を作る
NISA研究家リュウとしての見解は、「どのタイプでもS&P500を50%以上は持つ」ということです。S&P500は信託報酬・分散・実績の3拍子が揃った王道で、NASDAQ100・FANG+はあくまでサテライトの位置付け。土台を厚く取ることで、暴落時にも積立を止めずに済みます。
新NISAでは3つのインデックスともつみたて投資枠・成長投資枠の両方で買え、運用益は非課税。NISA口座での売買手数料も主要ネット証券で無料です。同じ商品ならどこで買っても結果は同じなので、クレカ積立のポイント還元や投信保有ポイントで証券会社を選ぶのが現実的です。
3つのインデックスの組み合わせ・個別の深掘りは以下の関連記事も参考にしてください。


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