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「親がNISAをやっていたけど、もし亡くなったらどうなるの?」「自分のNISAは家族に引き継げる?」——そんな疑問を持つ方は意外と多いのではないでしょうか。
2024年からスタートした新NISAは、非課税保有期間が無期限になり、生涯投資枠も最大1,800万円に拡大されました。長期保有する人が増えた分、万が一のときに「NISA口座はどうなるのか」を知っておくことがますます重要になっています。
この記事では、NISA保有者が亡くなった場合の相続の仕組み・手続きの流れ・税金の注意点をわかりやすく解説します。60代の方はもちろん、「将来のために知っておきたい」という30〜40代の方にもぜひ読んでいただきたい内容です。
NISAは「相続」できるの?基本の仕組みを知ろう
亡くなった時点でNISA口座は廃止される
まず最初に押さえておきたい大原則があります。それは、NISA口座の名義人が亡くなった時点で、そのNISA口座は自動的に廃止になるということです。
NISAの非課税という特典は、あくまでも「口座名義人本人」に与えられた権利です。そのため、家族であっても、その非課税枠ごと引き継ぐことはできません。
「せっかく積み立てた資産の非課税メリットが消えてしまうの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、口座は廃止されても、中の資産(株式・投資信託など)は相続人に引き継がれます。非課税枠は引き継げませんが、資産そのものは消えてなくなるわけではありません。
NISA口座内の資産は「相続財産」になる
NISA口座に入っていた株式や投資信託などは、他の預貯金や不動産と同様に相続財産として扱われます。相続人は、法律に基づいて(または遺言書・遺産分割協議によって)これらの資産を受け取る権利があります。
評価額(相続税を計算するための資産の価値)は、被相続人(亡くなった方)が亡くなった日の時価で計算されます。投資信託であれば基準価額、個別株であればその日の終値が基準になります(金融庁・相続税法に基づく評価)。
なお、NISA口座に現金(未投資のまま置いてあった資金)がある場合も、相続財産として扱われます。
NISA相続の手続きの流れ
STEP1:証券会社に「死亡の連絡」を入れる
家族が亡くなったら、まず証券会社に速やかに死亡した旨を連絡しましょう。口頭(電話)で連絡することが多いですが、証券会社によってはオンラインでの受付窓口を用意しているところもあります。
連絡後、口座は「相続手続き中」の状態になり、取引が一時停止されます。放置していると資産の管理が曖昧になるため、早めの対応が安心です。
STEP2:必要書類をそろえて提出する
相続手続きには、さまざまな書類が必要です。証券会社によって多少異なりますが、一般的に以下のものが求められます。
- 被相続人(亡くなった方)の除籍謄本または死亡診断書
- 相続人全員の戸籍謄本(または法定相続情報一覧図)
- 遺産分割協議書(または公正証書遺言)
- 相続人全員の印鑑証明書
- 証券会社所定の相続手続き申請書
- 相続人本人の本人確認書類
書類の収集には時間がかかることが多いため、並行して進めると効率的です。また、証券会社のコールセンターに問い合わせると、必要書類のリストを送ってもらえることがほとんどです。
STEP3:資産を「特定口座」または「一般口座」に移管する
書類の提出と審査が完了すると、NISA口座内の資産は相続人の口座に移管されます。ここで重要なのが、相続人のNISA口座には移管できないという点です。
移管先は相続人の特定口座または一般口座になります。もし相続人がその証券会社に口座を持っていない場合は、新たに口座開設が必要になります。手続き全体の目安としては、書類提出から完了まで1〜3ヶ月程度かかるのが一般的です(証券会社・書類の状況により異なります)。
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相続後の税金はどうなる?知っておきたい注意点
相続した資産に「相続税」がかかる可能性がある
NISA口座内の資産も相続財産であるため、遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告・納税が必要です(国税庁「相続税の仕組み」より)。
ただし、基礎控除内であれば相続税はかかりません。多くの一般家庭では、NISA口座の資産だけで基礎控除を超えるケースは少ないですが、不動産や預貯金なども含めた遺産総額で判断する必要があります。
相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。金額が大きい場合や判断が難しい場合は、早めに税理士に相談することをおすすめします。
「取得費」が引き継がれるメリット
相続して特定口座・一般口座に移管された資産を、後日売却した際には譲渡所得税(約20.315%)がかかります。
ただし、ここに一つ知っておきたいポイントがあります。相続で取得した資産の「取得費(購入価格)」は、相続開始時点の時価(相続税評価額)で引き継がれます。
例えば、被相続人が長年NISAで積み立て、取得コストが100万円だった資産が相続時に300万円になっていた場合、相続人は「300万円で取得した」とみなして計算できます。つまり、その後さらに値上がりしない限り、含み益部分に対する譲渡所得税が実質的に発生しないという恩恵があります。これは相続ならではのメリットと言えるでしょう。
※取得費の扱いは税務上の判断が必要なケースもあるため、詳細は税理士や証券会社にご確認ください。
新NISAで変わったこと・注意点
非課税保有期間「無期限化」で長期保有が増えた
2024年からの新NISAでは、非課税で保有できる期間が無期限になりました。これにより、「一生持ち続ける」という選択をする人が増えています。
それだけに、相続時の対応を知っておくことがより重要になっています。長年積み立てた資産が大きくなるほど、手続きの複雑さや相続税への影響も大きくなる可能性があるためです。
相続人がNISA口座を持っていない場合
相続人(例:子ども・配偶者)がNISA口座を持っていない場合でも、相続した資産を特定口座や一般口座で受け取ることはできます。
ただし、その後新たにNISA口座を開設して再投資したい場合は、自分の生涯投資枠(最大1,800万円)の範囲内で改めて投資する必要があります。相続した資産はNISA口座に直接入れることができないため注意が必要です。
また、相続人が18歳未満の場合(ジュニアNISAは2023年末で終了)、特定口座または一般口座への移管となります。

家族のために「今すぐできる」準備
口座情報を家族と共有しておく
NISA口座の相続手続きで最も困るのが、「どこの証券会社に口座があるか家族が知らない」というケースです。
手続きをスムーズに進めるために、以下の情報をエンディングノートや家族が見られる場所に記録しておきましょう。
- 利用している証券会社名(例:SBI証券、楽天証券など)
- 口座番号またはログインID
- 保有している主な資産の種類(投資信託・株式など)
パスワードの直接記載はセキュリティ上のリスクがあるため、「暗証番号は○○の引き出しに封筒で保管」などの形にするのも一つの方法です。
証券会社ごとの手続き方法を事前に確認しておく
SBI証券、楽天証券、マネックス証券など、各社によって相続手続きの方法やオンライン対応の範囲が異なります。
現時点(2026年4月)では、多くの証券会社でオンラインでの書類提出や手続きの一部に対応しています。公式サイトの「相続手続き」ページをブックマークしておく、または印刷して保管しておくだけでも、いざというときに役立ちます。
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まとめ:NISAの相続は「非課税は引き継げないが、資産は引き継げる」
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
- NISA口座は名義人が亡くなった時点で廃止となり、非課税の恩恵は引き継げない
- ただし、口座内の資産(株式・投資信託)は相続財産として相続人に引き継がれる
- 相続人は証券会社に手続きし、特定口座または一般口座に移管する
- 移管後の取得費は相続時の時価が基準となるため、後の譲渡所得税の計算上メリットがある場合も
- 遺産総額によっては相続税の申告が必要になる
- 今のうちから口座情報を家族と共有しておくことが大切
長期投資を続けるほど、相続時の資産額も大きくなります。「まだ先の話」と思わず、ご家族でこうした話をする機会を作ってみてはいかがでしょうか。
NISAの基本情報についてもっと知りたい人は下の「NISAとは何か?初心者にわかりやすく解説【2026年版】」も一緒に読むとさらに深く学べます。

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