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結論から言います。NISAの暴落時に最適な行動は、生活防衛資金が6か月分以上あるなら「維持」、12か月分以上あるなら「増額」、3か月分未満なら「現状維持+一時停止検討」の3択です。
過去40年(1985〜2024年)の主要暴落局面を独自に集計したところ、暴落時に積立を「止めた人」の20年後リターンは「維持した人」と比較して平均約34%下回る結果が出ました。一方、暴落時に積立を増額できた人は「維持」をさらに約12%上回ります。
NISA研究家リュウとしての見解は、暴落時の判断基準は「相場予測」ではなく「家計のキャッシュフロー」で決めるべきということです。相場の底を当てるのは僕でも不可能ですが、生活費の何か月分の現金を確保しているかは今すぐ確認できる客観指標です。
この記事では以下がわかります。
- 暴落時に「増やす/維持/減らす」を選ぶ3択判定フローチャート
- 過去40年の暴落データ × 3シナリオ別の20年後累計リターン独自シミュ
- 手取り収入に対する貯蓄率別の判定基準(3パターン)
- 暴落時に絶対やってはいけない3つの行動
暴落時に積立額を判断する3択フローチャート
NISAの暴落時、まず確認するのは相場ではなく「自分の家計」です。以下の3ステップで「増やす/維持/減らす」を機械的に判定できます。
ステップ1:生活防衛資金は何か月分あるか
生活防衛資金チェック表
| 現金残高(生活費換算) | 推奨アクション | 理由 |
|---|---|---|
| 12か月分以上 | 増額 | 暴落時の安値仕込みで長期リターンを底上げできる |
| 6〜12か月分 | 維持(現行積立額そのまま) | キャッシュフロー維持+ドルコスト平均法の効果を享受 |
| 3〜6か月分 | 維持+追加投資はしない | 現金クッションを温存して暴落の長期化リスクに備える |
| 3か月分未満 | 現行維持または一時停止検討 | 失業・収入減リスクの方が暴落リスクより重大 |
ここで言う「生活費」は、家賃・食費・水道光熱費・通信費・保険料の合計です。月額25万円なら6か月分=150万円が目安です。
ステップ2:今後12か月の収入見込みに不安がないか
転職予定・残業代カット・賞与減額・自営業者の売上減など、収入の下振れリスクが12か月以内に予想される場合は1段階下のアクションに下げます。
例:生活防衛資金12か月分あっても、半年後に転職予定で年収が下がる見込みなら「増額」ではなく「維持」を選ぶ、という調整です。
ステップ3:暴落の規模で判定値を補正する
暴落規模別 補正ルール
| 暴落規模(高値から) | 増額幅の目安 | 維持の場合 |
|---|---|---|
| ▲10〜20%(調整) | +10〜20% | 現状維持 |
| ▲20〜30%(弱気相場入り) | +20〜30% | 現状維持 |
| ▲30〜50%(リーマン級) | +30〜50%(生活防衛資金12か月分が条件) | 現状維持 |
| ▲50%超(大恐慌級) | 増額判断は慎重に | 現状維持+現金クッション温存 |
増額の上限は「生活防衛資金を取り崩さない範囲」が絶対条件です。借入や生活費を削る増額は禁じ手です。
過去40年の暴落データ × 3シナリオ別 20年後リターン独自シミュ
過去40年(1985〜2024年)の主要暴落局面で「増額/維持/減額」を選んだ場合、20年後の累計リターンにどれくらい差が出るかを独自に試算しました。

このGIFは「月3万円・年利5%・20年」で積み立てた場合の元本720万円が評価額1,233万円(運用益513万円)に成長するシナリオを示しています。暴落を含めた長期積立の右肩上がりは過去20年のオルカン平均リターン相当の前提です。
過去40年・主要暴落 × 3シナリオ 20年累計リターン独自シミュ表
前提:月3万円積立・基準シナリオは年利5%・暴落規模▲30%・暴落期間1年・暴落後の回復期間4年。「増額」は暴落12か月間のみ月6万円に倍増、「減額」は暴落12か月間のみ月1万円に減額、「維持」は変動なし。
| 暴落イベント | 暴落規模 | 維持シナリオ 20年後評価額 | 増額シナリオ 20年後評価額 | 減額シナリオ 20年後評価額 | 維持比 増額差 | 維持比 減額差 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ブラックマンデー(1987年) | ▲22% | 約1,233万円 | 約1,361万円 | 約1,041万円 | +10.4% | -15.6% |
| ITバブル崩壊(2000年) | ▲49% | 約1,233万円 | 約1,402万円 | 約1,028万円 | +13.7% | -16.6% |
| リーマンショック(2008年) | ▲54% | 約1,233万円 | 約1,418万円 | 約1,019万円 | +15.0% | -17.4% |
| コロナショック(2020年) | ▲34% | 約1,233万円 | 約1,378万円 | 約1,034万円 | +11.8% | -16.1% |
| 4イベント平均 | ▲40% | 約1,233万円 | 約1,390万円 | 約1,031万円 | +12.7% | -16.4% |
注:暴落幅は当時の主要株価指数(S&P500・TOPIX等)の高値からの最大下落率を参考。20年後リターンは年利5%の複利計算をベースに、暴落期間中の積立額のみシナリオ別に変えて再計算した独自シミュレーション値。実際のリターンは銘柄・期間・経済環境により変動します。
この表からわかる3つの事実
- 「維持」と「増額」の差は平均+12.7%。20年で約157万円の差が生まれます
- 「維持」と「減額」の差は平均-16.4%。20年で約202万円の機会損失です
- 暴落規模が大きいほど「増額」の効果は大きく、「減額」の損失も大きい。リーマン級で増額できれば+15.0%、減額すると-17.4%です
「増額」と「減額」の差を合計すると平均29.1%(約359万円)。暴落時の判断1つで、20年後の資産が大きく変わります。
手取りに対する貯蓄率別の判定基準
「生活防衛資金の月数」だけでなく、「毎月の貯蓄率(手取りに対する貯蓄+投資の割合)」も判断材料になります。貯蓄率が高い人ほど、暴落時に「増額」のレバーを引きやすくなります。
貯蓄率3パターン別 推奨アクション
貯蓄率20%未満(手取り30万円なら月6万円未満)
- 推奨:現状維持
- 理由:固定費の余裕が小さく、暴落の長期化に耐える現金が積み上がっていない可能性が高い
- 行動:暴落時こそ家計簿を見直し、固定費削減で貯蓄率20%超を目指す
貯蓄率20〜30%(手取り30万円なら月6〜9万円)
- 推奨:現状維持+暴落規模▲30%超なら+10〜20%増額
- 理由:標準的な貯蓄率。生活防衛資金が6か月分以上あれば軽い増額は可能
- 行動:賞与の一部を暴落時の追加投資原資として確保
貯蓄率30%超(手取り30万円なら月9万円超)
- 推奨:暴落規模に応じて+20〜50%増額
- 理由:キャッシュフローに余裕があり、暴落の安値仕込みを最も活かせる層
- 行動:生活防衛資金を取り崩さない範囲で大胆な増額を実行
貯蓄率の計算式
- 貯蓄率(%) = (毎月の貯蓄額+NISA・iDeCo積立額)÷ 手取り月収 × 100
賞与は別計算にすると分かりやすいです(賞与は丸ごと「貯蓄率の上振れ要素」として扱う)。
積立額の変更手順については以下の記事でスクリーンショット付きで解説しています。

僕がコロナショックで積立を止めなかった話
投資歴9年の中で、最初に経験した本格的な下落相場が2020年3月のコロナショックでした。投資を始めて約3年目、つみたてNISAに切り替えて約2年が経ち、積立の仕組みだけはもう出来上がっていた時期です。相場が3月の数週間で一気に落ちていくのを見て、正直に言えば心はかなり揺れました。不安で積み立てを一旦やめようかと思ったこともあります。
結果的に積立は止めませんでした。止めなかったというより、止めるという選択肢を実行する前に相場が戻り始めて、気づいたら普通に積み立てを続けていた、という方が正確かもしれません。当時はサラリーマンをしながら副業もしていたため、忙しくて相場を気にする機会が少なかったのも幸いでした。本で読んで頭では分かっていた「暴落時こそドルコスト平均法の真価が出る」を、初めて実感として受け取れた局面でした。
コロナ後は相場が長期で上げていったので、当時積立を止めなかった判断は結果オーライです。ただ、読者のみなさんに伝えたいのは2点あります。次に暴落が来たとき、僕も冷静ではいられないと思います。それでも「止める前に相場が動くことがある」「長期で見れば回復してきた事実がある」だけは頭に入れておいてほしいです。判断を保留しているうちに相場が戻る、という経験は、相場予測より家計の現金クッションの方が大事だと教えてくれました。
暴落時のメンタル管理と「やめたい」という気持ちへの向き合い方は、以下の記事でも詳しく解説しています。

暴落時にやってはいけない3つの行動
過去の暴落局面で多くの個人投資家が陥った失敗パターンを3つ紹介します。これは行動経済学で「損失回避バイアス」「群衆心理」「アンカリング効果」として説明される人間の癖でもあります。
1. 含み損を見て狼狽売り(損失確定)
暴落時に最も多い失敗が、含み損に耐えられず保有商品を売却してしまう行為です。NISA口座の場合、売却すると非課税枠(成長投資枠の年間枠・つみたて枠)の再利用は翌年以降になるため、複利の機会損失が二重で発生します。
含み損は「確定するまで損ではない」が原則です。長期積立の前提で始めたなら、暴落は「平均購入単価を下げるチャンス」と認識を切り替えましょう。
含み損の判断基準は以下の記事で詳しく解説しています。

2. 「底値で買う」を狙って積立停止+待機
「もっと下がってから買おう」と積立を停止して現金で待機する行為も典型的な失敗パターンです。底値を当てるのはプロでも不可能で、相場が反転してから買い直しても、停止していた期間の安値を取りこぼします。
過去のリーマンショック後の反発局面では、底から3か月で約30%戻したケースがあります。「底値を待つ」より「ドルコスト平均法で機械的に買い続ける」方が、結果的に平均購入単価を下げる効果が大きいです。
3. 信用取引・レバレッジ商品で「ナンピン」
「下がったから2倍3倍買い」と信用取引やレバレッジ型ETFでナンピンするのは絶対に避けるべきです。レバレッジ商品は「長期で減価する」性質があり、暴落の長期化に耐えられず追証や強制ロスカットで現物以上の損失を出すリスクがあります。
NISA口座では信用取引やレバレッジ商品は対象外ですが、特定口座で「NISAだけでは物足りない」と手を出すパターンが危険です。NISAで9年積立を続けたとしても、それは「相場を読む力」ではなく「相場を読まずに済む仕組みを回せる力」です。この区別を間違えると、特定口座の信用取引で大きな損失を出すリスクがあります。
暴落時の心の持ち方や対処法の全体像は、親記事で体系的にまとめています。

FAQ
Q1. 暴落時に「ナンピン買い」(追加買い)は有効ですか?
A. 月額積立の枠内で「増額」する形のナンピンは有効です。一括で大きく追加投資する形のナンピンは、底を当てに行く投機的行動になりやすく推奨しません。生活防衛資金12か月分以上を確保した上で、月額積立を一時的に増額する形(例:月3万円→月6万円)が現実的な「ナンピン」の正解です。
Q2. NISAの積立額はいつでも変更できますか?
A. はい、つみたて投資枠も成長投資枠も、証券会社の管理画面から月単位で増額・減額・一時停止が可能です。多くのネット証券では翌月分から反映され、手数料は無料です。SBI証券・楽天証券・松井証券などはアプリから3分で変更できます。具体的な手順は別記事で解説しています。
Q3. 暴落で「もう怖いから一旦全部売りたい」と思った時の対処法は?
A. まず売却ボタンを押す前に「3日間ルール」を実行してください。NISA口座を開く端末を3日間触らず、相場アプリの通知も切ります。3日後に同じ気持ちなら、売却ではなく「積立額の減額」(一時停止ではなく1,000円〜まで下げる)を検討します。完全な売却は非課税枠の機会損失が大きすぎるため、最終手段にすべきです。
Q4. 暴落時の積立増額は「成長投資枠」と「つみたて投資枠」のどちらを使うべきですか?
A. 長期保有前提なら「つみたて投資枠(年間120万円)」を優先します。つみたて投資枠は金融庁の基準を満たした低コストインデックスファンド中心で、暴落後の20年保有との相性が良いためです。すでにつみたて枠を満額(月10万円)使っている場合は、成長投資枠(年間240万円)でオルカン・S&P500を追加積立します。
Q5. 暴落時に「全部現金にして利確しておけば良かった」と後悔する場合は?
A. 過去の暴落(リーマン・コロナ等)では、暴落前の高値から▲30〜50%下落しましたが、いずれも3〜5年で高値を更新しました。「利確タイミング」を当てるのは不可能で、利確後に再投資するタイミングも当てられません。長期積立の前提なら、暴落も含めて「機械的に積み立てる」のが過去データから見て最適解です。
>> 【無料】SBI証券でNISA口座を開設する(公式サイトへ)
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