NISAで米国ETFの配当金に外国税10%がかかる?それでもNISAが有利な理由をわかりやすく解説【2026年版】

NISAでの米国ETF配当金にかかる外国税10%の疑問と、特定口座(手取り7,172円)と比較してNISA(手取り9,000円)が有利であることを示す解説イラスト

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NISAで米国ETF(VOO・VTI等)の配当金を受け取ると、米国で10%の外国源泉徴収税が引かれます。

この10%はNISA口座では取り戻せません。しかし、それでもNISA口座の方が課税口座より手取りは多くなります。

具体的に比較すると、配当金1万円に対してNISA口座の手取りは9,000円、課税口座(特定口座)では約7,172円です。NISAの方が1,828円多く手元に残ります。

NISA研究家リュウの見解として、「10%引かれるから損」という誤解でNISAを避けるのは、20.315%の国内税非課税メリットを丸ごと捨てる判断です。外国税10%のデメリットを正しく理解した上で、NISAを活用するのが合理的な選択です。

この記事では、米国ETFの配当金にかかる外国税の仕組み、NISAで外国税額控除が使えない理由、そしてNISAと課税口座の手取り比較を具体的な数字で解説します。


目次

NISAで米国ETFの配当金に外国税がかかる仕組み

米国ETFの配当金とは

VOO(バンガードS&P500 ETF)やVTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)などの米国籍ETFは、保有する株式の配当金を定期的に投資家に分配します。これを「分配金」と呼びます。

米国ETFは米国市場に上場しているため、配当金の支払いは米国の税制ルールに基づいて行われます。日本のNISAは日本の税制の話であり、米国側のルールとは別に適用されます。

米国で10%の税金が源泉徴収される理由

日本の投資家が米国ETFの配当金を受け取る場合、米国側で税金が差し引かれてから日本の証券口座に入金されます。

本来、米国は外国人投資家に対して30%の源泉徴収税を課します。しかし「日米租税条約」により、日本居住者は軽減税率の10%が適用されます。

出典:財務省「日米租税条約のポイント」

日本の主要な証券会社(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)は米国の「適格仲介人(QI)」としてIRSと契約を結んでおり、投資家が個別にW-8BEN(日本居住者証明書類)を提出する必要はありません。口座開設時の情報をもとに証券会社が自動的に手続きを行います。

配当金の手取りはいくらになるか

NISA口座で米国ETFの配当金を受け取った場合の手取りを確認します。

配当金の状態金額(配当1万円の場合)
米国ETFが支払う配当金(税引き前)10,000円
米国で10%が源泉徴収▲1,000円
日本のNISA口座に入金される金額9,000円
日本での課税(NISAのため)0円(非課税)
最終的な手取り額9,000円

課税口座と比べると日本での税金(20.315%)はかかりませんが、米国での10%分は戻ってきません


NISA口座では外国税額控除が使えない理由

外国税額控除の仕組み

外国税額控除とは、海外で課税された税金と日本の税金で二重に課税される分を調整する制度です。

課税口座で米国ETFの配当金を受け取った場合、以下の「二重課税」が発生します。

  1. 米国で10%が源泉徴収される
  2. 残った90%に対して日本で約20.315%が課税される

この「二重に取られた税金」のうち、米国で払った分を確定申告で日本の税金から差し引けるのが外国税額控除です。

NISAで使えない理由はシンプル

外国税額控除は「日本の税金から外国の税金を差し引く」仕組みです。NISA口座では日本の税金がそもそもゼロのため、差し引く対象がありません

ポイント: NISAは「日本の税金をゼロにする」制度であり、「外国の税金をゼロにする」制度ではありません。

マネックス証券の公式FAQでも「NISA口座で非課税とされた配当所得については、二重課税とならないため、外国税額控除の適用を受けることができません」と明記されています。

つまり、NISA口座で受け取る米国ETFの配当金から引かれた10%は取り戻す方法がありません。どの証券会社を使っても同じです。

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NISA vs 特定口座|手取りを具体的に比較する

配当金1万円の場合の税金比較

段階NISA口座特定口座(控除なし)特定口座(控除あり)
①米国で源泉徴収(10%)▲1,000円▲1,000円▲1,000円
②日本で課税(20.315%)0円▲1,828円▲1,828円
③外国税額控除で還付不可なし+約800〜1,000円
手取り額9,000円約7,172円約8,000〜8,172円

出典:国税庁「外国税額控除の概要」、金融庁「NISA特設ウェブサイト」をもとに作成

年間配当額別のインパクト

配当利回り2%のETFを保有した場合、年間でどれだけの差が出るかを確認します。

保有額年間配当(税引前)NISA手取り特定口座手取り(控除なし)NISA有利分
500万円10万円9万円約7.2万円+1.8万円
1,000万円20万円18万円約14.3万円+3.7万円
1,800万円36万円32.4万円約25.8万円+6.6万円

NISAの非課税保有限度額1,800万円をフル活用した場合、配当だけで年間約6.6万円の差が生まれます。10年間では約66万円です。

結論:外国税額控除を使っても、NISAの方が有利

外国税額控除をフル活用した場合と比較しても、NISA口座の手取りが上回ります。配当金目的で長期投資をするなら、NISA口座の利用が基本的に有利です。

さらに、値上がり益(キャピタルゲイン)にはNISAなら日本の税金が一切かからないため、配当金と値上がり益を合わせたトータルリターンでは、NISAの優位性はさらに大きくなります。

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外国税が気になるなら「国内の投資信託」も選択肢

国内の投資信託でも「外国税の見えない負担」はある

「確定申告の手間はかけたくない」という場合、国内の投資信託(インデックスファンド)を通じた米国株投資が選択肢になります。

「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」などの国内投資信託は、投資家に代わってファンド内部で米国株を保有し、配当金を受け取ります。このとき、ファンド内部で米国側に10%の外国税を支払っています

投資家が直接税金を納めたり、確定申告をしたりする手間はありませんが、外国税の10%は「見えないコスト」としてファンドの基準価額(運用成績)を押し下げる要因になっています。つまり、国内の投資信託を選んだからといって、外国税の負担が免除されたり、取り戻せたりするわけではありません

なお、分配金を定期的に出す一部の国内投資信託を課税口座(特定口座)で保有する場合は「投資信託等の二重課税調整制度」によって二重課税が自動で解消されます。しかし、「eMAXIS Slim」のように分配金を出さずにファンド内で再投資する銘柄は、そもそもこの調整制度の対象外となります。

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VOO・VTIをNISAで保有する場合の整理

VOOやVTIをNISAの成長投資枠で保有する場合のポイントを整理します。

項目内容
配当金への外国税10%が源泉徴収される
外国税額控除NISA口座では使えない
日本の税金(20.315%)NISA口座なら非課税
値上がり益(キャピタルゲイン)NISA口座なら完全非課税
課税口座との比較NISAの方が手取りが多い

配当金の10%課税をデメリットと捉えるよりも、「それでも課税口座より有利」と理解した上で保有するのが合理的です。

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特定口座で外国税額控除を申告する方法(会社員向け)

ここからは、課税口座(特定口座)で米国ETFや米国株を保有している方向けの内容です。

確定申告が必要になるケース

特定口座(源泉徴収あり)を選んでいても、外国税額控除を受けるには自分で確定申告を行う必要があります。証券会社が自動で行ってくれるものではありません。

申告手順(3ステップ)

STEP内容詳細
1必要書類を用意証券会社が1月頃に交付する「特定口座年間取引報告書」に外国所得税額の記載がある
2課税方式を選ぶ配当所得の申告方法として「総合課税」または「申告分離課税」を選択。有利な方は所得水準による
3e-Taxで申告確定申告書の外国税額控除欄に金額を入力。証明書類は5年間保管

出典:国税庁「外国税額控除に関する明細書(居住者用)」

注意すべき3つのポイント

1. 控除額には上限がある
外国税額控除で差し引けるのは、「その年の所得税額のうち、全所得に占める国外所得の割合」に応じた金額が上限です。米国ETFの配当金の割合が低ければ、10%全額を取り戻せないケースがあります。

2. 総合課税で社会保険料に影響する可能性
配当所得を総合課税で申告すると、給与と合算して総所得が増え、社会保険料や扶養控除に影響することがあります。申告前に総合課税と申告分離課税のどちらが有利か確認してください。

3. 個別の判断は専門家に相談
この記事は制度の仕組みを解説するものです。個別の税務判断については、所轄の税務署や税理士にご相談ください。

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まとめ:10%引かれてもNISAが有利

この記事のポイントを整理します。

項目内容
米国ETFの配当金にかかる外国税10%(日米租税条約による軽減税率)
NISA口座で外国税額控除使えない
NISA口座の手取り(配当1万円)9,000円
特定口座の手取り(控除なし)約7,172円
特定口座の手取り(控除あり)約8,000〜8,172円
結論NISAの方が手取りが多い

10%の外国税は確かにデメリットですが、日本の税金20.315%が非課税になるメリットの方がはるかに大きいです。さらに値上がり益が完全非課税である点を含めると、NISAでの米国ETF保有は課税口座より明確に有利です。

外国税が気になる方は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などの国内投資信託を選べば、外国税を直接意識せずに米国株に投資できます。

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