NISAで含み損が出たら?損益通算できない時の3つの選択肢

NISAで含み損が出たら?損益通算できない時の3つの選択肢

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結論から書きます。NISA口座で出た損失は他の口座と損益通算できないため、含み損が出た時の選択肢は「保有継続・特定口座へ切替(再投資)・売却損確定」の3つに絞られます。

NISAの損失は税務上「なかったもの」として扱われ、特定口座や一般口座の利益・配当との損益通算も翌年以降の繰越控除もできません(出典:国税庁タックスアンサーNo.1535)。

NISA研究家リュウとしての見解は、「損益通算できない仕組みを前提に、含み損率と投資年数で選択肢を機械的に切り分ける」ということです。感情で売る前に、3つの選択肢それぞれのメリットとデメリットを早見表で確認してから動くことをおすすめします。

この記事では以下がわかります。

  • NISAで損失が出ても他口座と損益通算できない理由
  • 含み損が出た時に選べる3つの選択肢の違い
  • 特定口座へ切り替える判断フロー(含み損率/家計余力/投資年数の3軸)
  • 過去40年の暴落と回復データで見る「持ち続ける」根拠

目次

NISA損失時の3つの選択肢 早見表

💡 答え

NISA口座で含み損が出た時の選択肢は「保有継続/特定口座へ切替(売却→特定口座で買い直し)/売却損確定」の3つです。NISA損失は損益通算・繰越控除ができないため(出典:国税庁)、選び方が課税口座と異なります。

NISAで含み損が出た時の選択肢は3つしかありません。それぞれのメリットとデメリットを比較した独自集計が以下です。

選択肢コスト税優遇の扱い損益通算向いている人
①保有継続0円非課税枠そのまま維持不可投資年数10年以上残っている人/生活防衛資金が別途確保できている人
②特定口座へ切替(売却→特定口座で買い直し)売買コスト+スプレッド非課税枠を放棄・以降は課税切替後の損益は通算可含み損が今後さらに拡大した時に他の口座の利益と相殺したい人/NISA枠を別銘柄で使い直したい人
③売却損確定売買コスト非課税枠と非課税メリットを放棄不可(NISAの損失は税務上ゼロ扱い)投資方針自体が変わった人/生活費に充てる必要が出た人

ポイントは3つです。①NISAの損失は他口座と相殺できないので確定損のメリットがない/②特定口座へ切替えると以降の値上がり益は課税対象になる/③保有継続のコストはゼロ。長期保有を前提に始めたなら①が基本路線になります。


NISAで損益通算できない仕組み

💡 答え

NISA口座の損失は特定口座・一般口座の利益と損益通算できず、翌年以降の繰越控除もできません。NISAの損失は税務上「なかったもの」として扱われるためです(出典:国税庁タックスアンサーNo.1535)。

課税口座とは「損失の扱い」が決定的に違う

特定口座・一般口座で出た損失は、同じ年の他の口座の利益と損益通算でき、引ききれなかった分は翌年以降3年間繰越控除できます。

NISA口座は違います。NISAの損失は税務上「なかったもの」として扱われるため、損益通算も繰越控除もできません(出典:国税庁タックスアンサーNo.1535・株式等の譲渡所得等の課税方法)。

これは新NISA(2024年〜)でも旧NISA(2023年まで)でも同じ扱いです。「損失が出たから確定損で他の利益と相殺しよう」という戦略がそもそも成立しない仕組み、ということを前提にしてください。

損益通算できない代わりに非課税メリットがある

NISAは「損失の扱いで不利な代わりに、利益が出た時の非課税メリットが大きい」制度設計です。

通常の課税口座で出た売却益・配当には20.315%(所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)の税金がかかります。NISA口座ならこれがゼロです。

つまりNISAは「上昇局面の非課税メリットで、下落局面の損益通算不可をカバーする」前提でできています。長期で右肩上がりに育つことを期待して使う制度なので、含み損の段階で売却損を確定させる行動は、制度のメリットを最大化できる場面ではありません。

NISA口座のデメリットはこちらの記事でも整理しています。

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含み損が出た時の3つの選択肢を詳しく解説

💡 答え

選択肢は①保有継続(0コスト・非課税枠維持)/②特定口座へ切替(非課税枠を放棄・損益通算可)/③売却損確定(税優遇放棄)の3つ。投資年数と含み損率で機械的に選び分けます。

①保有継続:何もしないという最強の選択肢

長期投資の前提で始めたなら、含み損が出ても何もしないのが基本です。

過去40年のS&P500の主要暴落5回(ブラックマンデー1987/ITバブル崩壊2000-2002/リーマンショック2008-2009/コロナショック2020/米金利急騰2022)はすべて新高値を更新して終わっています。最大下落率は-25%から-56%の幅がありますが、回復までの期間は最短で約6ヶ月(コロナショック)、最長で約86ヶ月(ITバブル崩壊・約7年)です。

「持ち続ける」コストはゼロです。売買手数料も発生しません。非課税枠もそのまま維持されます。長期保有が前提のNISAでは、何もしないことが最強の選択肢になり得ます。

②特定口座へ切替:非課税枠を放棄するが損益通算可になる

含み損が今後さらに拡大することを見込み、その損失を特定口座の他の利益と相殺したい場合は、NISA口座を売却して特定口座で買い直す選択肢があります。

ただしこの選択肢には3つのコストがあります。1つ目は非課税枠の喪失で、NISAで売却した枠は翌年に復活はしますが、その年の枠としては失います。2つ目はスプレッドと売買コストで、投資信託なら基準価額の動きで微妙な損益、株式・ETFならスプレッド分が発生します。3つ目は以降の値上がり益が課税対象になることです。

詳しい判断フローは次のH2で整理します。

③売却損確定:税優遇のメリットも放棄するため非推奨

NISAで売却損を出しても、損益通算も繰越控除もできません。「確定損として節税に使う」というメリットがそもそも存在しません。

それでも売却損確定を選ぶ場面は、投資方針自体が変わった時か、生活費に充てる必要が出た時に限られます。「相場が下がって怖いから」という理由で確定するのは、税制上のメリットゼロのまま非課税枠だけを失う結果になりやすい行動です。

積立を続ける気力が落ちている場合は、こちらの記事も参考にしてください。

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特定口座へ切り替えるか判断する3軸フロー

💡 答え

切替判断は①含み損率(-20%以上か)/②家計余力(生活防衛資金が別途あるか)/③投資年数(残り10年以上か)の3軸で決めます。3軸全てが切替条件に揃った時のみ②を検討します。

含み損が出た時に「特定口座へ切替えるべきか」迷う方が多いのですが、感情で決めずに3軸で機械的に判断するのがおすすめです。

軸①:含み損率は-20%以上か

含み損率が-10%程度の段階では、相場の通常変動の範囲内です。過去40年の暴落データでも、-10%程度の下落は数ヶ月〜1年で回復しているケースが大半です。

切替を検討するのは含み損率が-20%以上に拡大した時です。-20%は弱気相場の目安と呼ばれる水準で、ここから-30%・-40%へ拡大していく可能性も視野に入ってきます。

ただし-20%超えでも、自動的に切替が正解ではありません。次の軸②③も合わせて判断します。

軸②:生活防衛資金が別途確保できているか

生活費6ヶ月〜12ヶ月分の生活防衛資金を、NISA口座とは別に現金で持っているかが重要な判断軸です。

生活防衛資金がない状態でNISAを売却して特定口座へ切替えるのは、「下落局面で売却した上に、以降の値上がり益も課税される」二重損のリスクがあります。生活防衛資金が確保できていない方は、NISAを動かさず保有継続が基本です。

軸③:投資年数は残り10年以上あるか

「いつ使うお金か」も切替判断の重要な軸です。残り10年以上なら、過去40年の暴落データのとおり回復を待つ余地が十分あります。残り3年以下なら、回復前に使う必要が出る可能性が高く、切替よりもポートフォリオの守備力UP(債券比率を上げる等)の方が効きます。

3軸を整理すると、含み損率-20%以上+生活防衛資金あり+残り10年未満が揃った時にだけ「特定口座へ切替」が選択肢に上がります。それ以外は保有継続が基本路線です。

含み損が出た時の判断3ステップは、こちらの記事でも整理しています。

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過去40年(1985-2024)の主要暴落と回復

S&P500を基準に、過去40年で発生した5つの主要な下落と回復期間を独自集計しました。NISA枠360万円分を保有していた場合に節約できた税額(売却益の20.315%)の目安も併記します。

暴落イベント発生年最大下落率過去最高値までの回復期間NISA非課税メリット(売却益360万円換算)
ブラックマンデー1987約-34%約20ヶ月約73万円の節税効果
ITバブル崩壊(ドットコム)2000-2002約-49%約86ヶ月(約7年)約73万円の節税効果
リーマンショック2008-2009約-56%約65ヶ月(約5年半)約73万円の節税効果
コロナショック2020約-34%約6ヶ月約73万円の節税効果
米金利急騰(2022年弱気相場)2022約-25%約24ヶ月約73万円の節税効果

※下落率・回復期間は各暴落のピークから次の最高値更新までの期間(S&P500・ドルベース)。NISA非課税メリットは売却益360万円が出たと仮定した場合の通常課税(20.315%)回避額の概算。

過去40年の暴落はすべて回復しており、NISAで売ってしまうと回復後の利益にも非課税枠が使えなくなります。これが「持ち続ける」判断の土台です。


僕が信用取引で1,000万円失って学んだ「攻めと守りの口座分離」

NISAの含み損対処は「攻めと守りの口座分離」という考え方が根本にあります。これは僕自身の最大の失敗から学んだことです。

2026年に入ってから、僕は特定口座の信用取引で約1,000万円の実損を出しました。NISA口座ではなく信用取引口座での失敗です(信用取引はそもそもNISAでは行えません)。9年間NISAで積立を続けてきて、相場観も付いてきたと過信したことと、「インデックス積立一本では物足りない」という中級者の慢心からレバレッジ取引に手を出した結果でした。買い建てのタイミングで相場が大きく下落、追証すれすれまで含み損が膨らみ、強制決済を避けるために自分で売却して損失を確定させました。

この失敗で学んだのは3点です。1つ目は、現物のインデックス積立と信用取引は全くの別物だということ。「長期で見れば戻る」の教科書は、追証ラインの前では通用しません。2つ目は、NISAで9年続けたことで身についたのは「相場を読む力」ではなく「相場を読まずに済む仕組みを回せる力」だったということです。この区別ができていませんでした。3つ目は、感情に流されやすい自分の性格と、感情が損失に直結するレバレッジ取引はミスマッチだったということです。

その後の行動変化は明確で、「攻め(特定口座・信用取引あり)」と「守り(NISA・iDeCo)」の口座を完全に分離しました。NISAのインデックス積立は月20万円で従来通り継続。NISA口座の含み損には一切手を付けず、損切りや切替の判断は特定口座側で完結させるルールにしています。

読者の方にお伝えしたいのは、NISAは「守り」の口座だという原点です。NISAで含み損が出ても、損益通算できないからこそ、感情で売却して非課税枠を捨てるのは一番もったいない行動になります。「動かしたい」と感じた時こそ、NISA以外の口座でリスクを取れる余地があるか先に確認するのが、僕が9年と1,000万円の損失を経て辿り着いた結論です。


NISAをはじめるならSBI証券が使いやすい

SBI証券の特徴

NISAを開設する証券会社はいくつかありますが、口座数・サービス内容の面からSBI証券が選ばれることが多いです。

SBI証券のNISAの主な特徴は以下のとおりです。

  • 国内最大級の取扱商品数:つみたて投資枠の対象ファンドが270本以上(SBI証券公式サイト2026年4月時点)
  • 最低積立金額が100円〜:少額から無理なくスタートできる
  • スマホアプリが使いやすい:操作が直感的でわかりやすい
  • ポイントサービスあり:Vポイント、Pontaポイント、dポイント、PayPayポイントなどから選んで貯まる・使える

口座開設の簡単な手順

SBI証券のNISA口座は、スマホだけで開設できます。おおまかな流れは以下のとおりです。

  1. SBI証券の公式サイトから口座開設申込みをする
  2. 本人確認書類(マイナンバーカードなど)をアップロードする
  3. 税務署による審査(通常1〜2週間程度)を待つ
  4. 初回ログイン・積立設定をして投資スタート

初めての方でもサポートページや電話窓口が充実しているため、安心して手続きを進められます。


まとめ:NISAの含み損は「3つの選択肢×3軸判断」で迷わない

この記事でお伝えした内容を振り返ります。

  • NISA口座の損失は他の口座と損益通算できず、繰越控除もできない
  • 含み損が出た時の選択肢は「①保有継続/②特定口座へ切替/③売却損確定」の3つ
  • ①保有継続が基本路線(コスト0・非課税枠維持・過去40年の暴落は全て回復)
  • ②特定口座へ切替を検討するのは「含み損率-20%以上+生活防衛資金あり+残り10年未満」が揃った時のみ
  • ③売却損確定はNISAでは税優遇メリットがないため非推奨
  • NISAは「守り」の口座と割り切り、リスク許容度の調整は特定口座側で行うのが安全

NISAの含み損は、感情ではなく仕組みで対処できます。3つの選択肢と3軸判断を頭に入れて、焦らずコツコツと積み立てていきましょう。


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